FC2ブログ
2021/05/05

ノコ ホルスター

小屋から外に出るときは、木も竹も草も切れる替刃式の片刃ノコを持っていくことが多い。
9坪ハウス周辺なら、ノコを手にさげて散歩しても、警察には通報されない。
でもノコを持ったジーサンが前方から近づいてくるのは、気持ちの良いもんではなかろう。相手を緊張させないエチケットは必要だ。
前々回(4/14)杖のことを書いたら、半漁人さんが仕込み杖だなんて茶化してくれたが、ふつうにノコの鞘(さや)を作ることにしました。

板
替刃1枚400円。
この手のノコは野草から
径15センチの立ち木まで
用途が広い。

鞘材は、長さ40センチ。
幅75ミリのスギ板。
厚さは10ミリと6ミリ。



2枚の板の厚い方をえぐってフトコロを作ったあと、貼り合わせる。
こういう作業は鴨居や敷居の溝を掘るカッターをふつう使うけれど、トリマーでやることに。トリマーのほうが保持者は多いでしょうから。

ブログ21トリマー5
ストレートビットは6ミリ
しか持っていない。
6ミリがあれば用は足りるし、面取り化粧なんてまずやらない。

材に軽く押しあてながら
前方へ進める。




幅狭で浅いカットだから抵抗も少ない。
五回目
6ミリ幅だから5ミリずつほど定規を広げる。
深さは3,5ミリ。
これで4回目かな。



七回

7回定規を移動させ
溝堀り完了。




板金屋が「仕事で使うので」と木材加工を頼みに来たことがある。
ブログ21トリマー6左側の材を右のように加工してほしいと持ってきた。
自分でできると思って、トリマーで始めたら、とんでもない方向にトリマーがぶっ飛ぶ。危なくてかなわん、あんな工具はよう使わんと言う。
トリマーがぶっ飛ぶというのは、進行方向を間違えたのだろう。
トリマーは(上から見て)右回転だから、手前から向こうに押し進めれば、反発を受け止められる(下左図)。でも向こうから手前に引くと、(丸ノコを手前に引くのと同じ理屈)とび跳ねることがある。切削量の多い角カットは特に跳ねやすい(右図)。
板金屋の注文は、トリマーでも溝切カッターでも出来るが、丸ノコ盤が目の前にあるので、2回とおして直ぐにおわった。餅は餅屋。



接着
貼り合わせ。
木工ボンドは雨に弱いのでエポキシ接着剤。
ただし古い(10年物?)
から劣化してるかも。
全然くっつかんって
こともあるまい。


ブログ21

完成2
ノコ身寸で長さカット。

墨ツボ糸が多くあったので巻き糸に使ったが、
滑ってやりにくかった。
ナイフの綿ひもはうまくいったのに。何か間違えたかな?


ノコの鞘はいちおう完成。あとは使って見てのこと。
脚ひもは、結ぶよりマジックテープが良さそう。いずれそのうち取り換えましょう。

装着

西部劇のガンベルトみたい。

鏡にうつった写真なので左右逆。
右でも左でも、前寄りでも後でも
いずれ具合良い位置に落ちつくでしょ。





関連記事
スポンサーサイト



2021/04/28

ソローの森の家②

ブログ21ソロー33



建前終了。
スジカイを打つ。
(無かったかな?)



建前は完了。家は建った。
ここで興味深かったのは、「ハテ、このあと、壁と屋根どっちが先?」
というのも”大草原の小さな家”でチャールズお父さんが丸太小屋を作ったのはソローの30年後だが、丸太で外壁を積み上げ頑丈なドアを作ったときローラが言う。
「これで家は出来上がり。あとは屋根を作るだけ」
あれれ! とビックリした。屋根が無いのに完成なんて…! 大事なのは外壁(バリケード)なのかと目をぱちくりさせた。
ソローもそうかとページをめくると、「板張りと屋根葺きを終えると――」
1行の内だが、外壁張りが先だった。これは岩波ワイド版。
やっぱりそうか、アメリカ人は雨より外敵重視かと思ったのだが、小学館版は屋根が先で外壁張りが後になってる。う~ん…?
ここで律義な人なら原著に当たるのだろうが、60ro-はそこまでやりません。スイマセン。まぁいっかーと先に進みます。


屋根工事
ソローは、小屋(代42,500円*)の解体板とは別に、板(38,000円)を購入している。
それらの中から、屋根には程度の良いものを選んで張ったに違いない。
板の端を斜めに削ってピッタリ重ねたから雨は漏らないという。
下左の絵のような具合だが、さて、どうだろう?

ブログ21ソロー32
左がソローの屋根。
木端を斜め削り。

重ね寸が同じなら
傾き大が漏りにくい。

絵の屋根の勾配は45度、10/10。2センチ厚板を4センチ斜め削りと仮定。
漏らないと言い切るには頼りない。

良いものを選んだとしても元が古板であるし、変形や傷みはあったんじゃないか? 割れや穴などは裏に樹皮などすくい込んだと思う。
板が図のように正しく納まっても緩い重ね代が5センチ以下なわけで、むしろ右側の瓦のように重ねた方が傾きはきつく出来る。その方が雨は漏りにくい。
小屋はおそらく雨漏りした。
ソローは気位が高いから失敗を公言するタイプじゃない。
案外晴れた翌日に屋根に上って、黙々と雨漏り個所にしっくいなんか捩じ込んでいたんじゃあるまいか。
「雨が漏るったって、雨の日だけのことだ」なんて平気なそぶりで。


外壁は、屋根板と同じもの。残り品を張った。
変形材が多かったようで、大きな隙間が多くできた。
冬のくる前に隙間ふさぎにコケラ板(丸太の側板 40,000円)を上張りする。これはちょっと安易かと。弱った板にコケラ板の重ね張りでは雨がしみるし、乾きにくい。板の傷みは早まる。
内壁は薄板(12,500円也)を張って下地にし、しっくいを塗った。しっくいを塗ってやっと隙間風はおさまった。部屋は快適になったが、目は楽しまないと彼は言う。
小屋の材料代は、総額281,250円。自分で伐った柱等は0円だが、板材の購入(小屋代を含む)に半分くらいかかっている。板材は高い。

*ソローは金銭を細かく記録してる。
 1ドル1万円で換算してみた。同レートでは、
 日当6,000~9,000円。牛皮ブーツ15,000円。
 カボチャ1個600円。スイカ1個200円になった。
 大きくは違わないでしょ。

ブログ21ソロー31イメージ図。
屋根板は中央でジョイント。
漆喰で防水。カサギも。

壁は、側板の上にコケラ板の重ね張り。

窓はもっと大きかった。
(妹の絵を見る前に描いたので)

 
その他
”大草原の――”の丸太小屋は最初の1本を地面に半分埋めてから積み上げてる。ソローは外壁板を地面まで下ろして張った。
両者ともシロアリの心配は全然してない。
ログハウスの本で三浦亮三郎氏が「カナダにはシロアリはまったくいない」と書いている。へ~そうなの。
ソローは樹皮付きの材で家を作ったが、わが志摩の小屋でそれをやると、虫が卵を産み付けて、喰われて穴凹だらけにされる。
冷涼な気候風土のせいか向こうの小屋は日本よりは腐朽しにくいようだ。
とはいっても、ソローもチャールズ一家も2年ほどで小屋を去っている。小屋がどれほどもったのかは、まるで分からない。 (100年後にソローの小屋跡が発見されたらしい)


ブログ21ソロー34


どうもソローの小屋にケチをつけた格好になってしまったが、それは60ro-が大工で、つい技術の部分に目が行くから。ハウツー本じゃ無いのに。
もっと小屋づくり自体のこと――例えばソローが言う。
「われわれは家を建てる楽しみを、いつまでも大工に譲り渡したままで良いものだろうか?」
自分の巣作りは心が沸き立つようにうれしいもの。ソローもそうだったのだ。
60ro-はたくさん家を作ったけれど、一番楽しかったのは自分の家づくりだった。
本宅は、自分の思うとおりに作れて満足したが、「傑作を作ってやろう!」の気負いがあった。結果しごとが増えて最後はあぐねた。
対して、住み処としての小屋は、巣作りだから余計なことは考えない。できていくのがただただ嬉しい。
ソローの言葉は、大工の60ro-だってそう思う。自分の小屋づくりほど楽しいものは無いから、人に任せちゃもったいない。


*今回の図書 ”ウォールデン 森の生活”   ・飯田実訳 ワイド版岩波文庫
                     ・今泉吉晴訳 小学館



関連記事
2021/04/21

ソローの森の家①

今から約180年前、ニューヨークの北250㎞――結構カナダに近い地に小屋を作って暮らしたH・D・ソロー。当時27歳。
「ウォールデン 森の生活」という有名な本の小屋は取り上げないわけにはいかない。

ソローは聡明な人なのだろうが、とにかく言葉が多くて脇道にそれて、60ro-は気がつけば飛ばし読みしてる。全部読んだとは到底言えない。
でも当方のテーマは小屋なので、小屋づくりにしぼって、ソローはどんな小屋を作ったかを思いめぐらすとします。

ブログ21ソロー27



ソローの妹が描いたという絵を
模写した。
この絵から分かることは多い。
でも分からないことも多い。


ソローは、周囲1,5㎞内に人家の無い地に3ⅿ×4,5ⅿの小屋を建てる。
小屋を作って暮らすことは、彼の思索をふかめ確かめる実践・実験だった。隠棲とはまるで違う。


1845/3月末~
ソローは借りたオノ一丁をもって、知人の森に入り、柱ほか構造材用に立ち木を伐る。
ブログ21ソロー20柱ほか主要材は約15㎝角に。
柱の長さは2,4m。
間柱は、対向2面のみ削る。
タルキと床板は1面のみ削る。
ノコやノミやカンナでホゾ加工など行う。


同、4月中旬
木材加工完了。
板材を手に入れるため、中古小屋を購入、解体、運搬。
板材を挽いて(割って)作るのはタイヘンなのだ。「反り返ってモロくなっている」という板でも貴重。
運搬の留守中に、抜いて散らばる釘を持ち去る人もいる。釘も貴重。
(そういえば60ro-が子供のころ、親父殿は曲がった古釘を金づちでたたいて伸ばして使ってたっけ)


ブログ21ソロー14家づくりの説明描写に基礎や土台の
記述は見当たらない。
ただ他の文脈で「杭を打つ」や
「土台」は出てくるので、この小屋
も土台を使ったことにしましょ。

以下の組立図は
「60ro-ならこうするかな」です。


同、5月初め
知人5人とともに棟上げを行う。
「人手は必要なかったが友好を深めるために呼んだ」と言う。
そういうことであったなら――以下の絵はソローひとりでも組み上げられる構成プランです。
一人なら1本ずつ、大勢なら組んだものを起こし上げる。両対応。

ブログ21ソロー柱
手伝いは必要ないって言ってるが、
15センチ角は重い。
長いものは50㎏ほどある。
組み上げることはできても危ない。しんどい。
「手伝ってくれて助かりました!」
それが本当でしょう。



ブログ21ソロー桁ブログ21ソロー12
細かな部分だがボルトは無いので
大きく載せかける。ハズれにくい。

150角5,5ⅿ桁は、6人いれば何てことないが――単独施工の場合は、2本をつなぐより軽い材でいきたいかな。桁は、積雪60㎝も120角でOK。
ブログ21ソロー24

棟木かけ。高い。
金属板も樹脂製品も無い時代は
屋根勾配をきつくするのが
一番の防雨対策。
屋根上作業がしんどくなるのは
致しかたない。


ブログ21ソロー25屋根タルキは削った面を上にする。
なるほどね。
タルキ下面は接触する2か所だけを
欠き取れば高さは揃うわけか。
ブログ21ソロー23


今回はこれで――

関連記事
2021/04/14

杖を作る

はじめての痛風発作は9坪ハウスに居たときで、近くに住んでいた弟を呼んで医者まで運んでもらった。
弟のクルマから医院のドアまで杖にしたのはスコップで、ガッチン、ガッチン突いてよろけ歩いた。看護師が車椅子を持ってきてくれたので、転げ込むように座った。やれやれ。向こうにしてみても、待合室の床にスコップなんぞ突き立てられちゃタマランということだったでしょう。
スコップの杖は、あまり具合良くありません。
ブログ21tue8

静養中は母親の使っていた杖を使った。杖は――痛みが去って必要なくなっても何か手にしていたい――癖になります。
久しぶりに名古屋に向かう電車に乗って揺られていると、目の前の男子高校生がチラチラ目を向ける。やがて「どうぞ!」と立ち上がる。
「あ…! いや…この杖は別に…」
要らぬ気づかいをさせてと言いかけたものの、自分は杖をついたジーサンなんだなあと理解する。礼を言って素直に座った。

元々バランス感覚は鈍いので杖は助かる。
石段の昇り降りは、3本足はぐっと安定する。
進路の蜘蛛の巣はプルンプルンと巻いて脇にかたす。
70センチ先のものを取っ手に引っ掛けて、たぐり寄せられる。
イノシシの突進を木刀代わりに撃退……は、これは妄想。ありえなかろう…

ブログ21つえ3

――で、杖を作る話。
作るったってご覧のとおり、たいした代物じゃないんですが。
母の杖は愛知での常備品ということにして、9坪ハウスでの常備品を作った。
最初のは、アカメガシワの枝を適当な長さに切っただけのもの。成長の早い木で軽い。汗でぬれると樹皮が手を黒くするので、取っ手部分の皮を削った。
1本目はいかにも間に合わせっぽいので、もうちょい手を掛けようとヒサカキ(ビシャという人も)で作った。木質の加減か、取っ手の削り肌がつややかなあめ色に変わってきた。
2本あれば十分で、まにあうのだが、杖は素材で変化を楽しめる――3号はウバメガシ。
3号は取っ手部分を凹に、えぐってみた。この方が手に馴染んで良さそうだ。足先のカーブは意図したものではなく、素材が曲がってたから。これは樹皮を全部めくっている。
いま少し太めの重量感のあるウバメガシで4本目を作ってみたい。
ビワを木刀にする話は”剣客商売”だったか? ビワの杖はどうだろう?

ブログ21tue7
上写真2本はいずれも2ⅿ超。デカすぎるし、取っ手もうまくない。

樹木はトンデモナイおかしな格好をしてるのもあるが、これぞ杖にピッタリの絶妙なカタチというのもなかなか見当たらない。
手の届かない高所の枝1本を得るために太い木を切り倒すわけにもいかない。
見逃してはいないかと、散歩や山中歩きで最近は以前以上に周囲をキョロキョロ見回します。


置き場
頭上の横棒に
ひょいと引っ掛ける。
場所を取らず
常時スタンバイ。


持つ
両端が尖ってますけど…

おいおいイノシシまさか
本気かい?



関連記事
2021/04/09

17年目

2005年の4月1日の夜、はじめてこの小屋に泊まって朝を迎えた。新鮮そのものだった。
まるまる16年が過ぎて、17年目に入りました。
せいぜい10年、楽しませてもらおうという思惑だった。
17年だなんて――予定になかった時間を過ごしています。

koya3140.jpg
2年目。2007年にカミさんの撮った写真。50ro-が屋根の色替え塗装をしてる。

16年後
こっちは現在。
先と同じ場所からですが
もうゴシャゴシャ。

冬ならかろうじて、
今のシーズンはまったく
小屋は見えません。


今回は17年目の9坪ハウスのスナップです。

東から
東から。

南から
南から。


西から
西から。

北崖上から2
北の
崖上から。


北崖上3
同じく
東寄りで。


ダイコン正
ダイコンは
花でしょう。

もっぱら
葉っぱを
食べて
おります。


ヤマモモ17
植えた苗では一番大きくなった
ヤマモモ。

人差し指くらいの太さの
ひょろんとしたヤツだったが
今では最大胴回り83センチ。

私のウエストがまだ勝ってるが
今年中には負けるのでしょう。




関連記事